濃緑のスカートが風にひらりと舞う。
 細い、スラリとした白い足が伸びている。
 茶色い癖の強い髪は風に弄ばれる。
 そしてその瞳は…
 据わっていた。



thought




「?どうしたんだ、太一…」
 話しかけるのは太一の彼氏、石田ヤマト。
 金糸の髪にターコイズブルーの瞳。
 その整った容姿にバンドのボーカルということで、結構、というかカナリもてている。
 そんなヤマトの恋人は八神太一。
 上記に書いたとおり、スラリとした美人で、男女共に人気の笑顔が可愛らしい少女だ。
 そんな二人はどこでもイチャイチャ…なのだが、今日はどうも太一の様子がおかしい。
 眉を寄せ、じっとヤマトに睨んでいる。
 昼休み、屋上に陣取ってヤマトの作った弁当を食べるのが日課な二人。
 そんな一日の安らぎタイムに太一は無言でヤマトを睨み続けた。
「太一、俺、鈍感だから言ってくれないと分からないぞ?」
 太一の頬に手を添えながら優しく聞くと、太一は唇を少し噛み締めて俯いた。
 と思うと、スカートのポケットに手を突っ込んでゴソゴソと何かを探り出した。
 そうして差し出されたのが一通の手紙。
 白い、どこか不気味な感じのする封筒だった。
 それを受け取ったヤマトは中の手紙を抜き出して読む。
 読む…
  プチッ

「なんだこれっ!!」

 切れた。
 一人憤慨して切れるヤマトの横で太一はムスッと膨れっ面横を向いていた。
 その手紙の内容は、ヤマトと付き合っている太一を非難する、なかなか酷いものだった。
 差出人の名前はない。
 ヤマトはその手紙を握りしめ、屋上を飛び出した。
 そんなヤマトを目尻に、太一は俯いたまま、眼に映るコンクリートを睨んだ。
「…似合わないのなんか知ってんだよ。」
 スカートの上に載せていた手をコンクリートの上に降ろすとザラリと嫌な感触がする。
 小さな石の中でも一番大きい石を指で摘まみ、ポイッと投げてみる。
 石は音もなく転がった。

 確かに自分とヤマトは不釣り合いだろう。
 ヤマトはクオーターだが、祖父の血を濃く継いでいる所為で、顔立ちは日本人なのに、
 ところどころイギリスの血が現れ、しかもそれ が綺麗にはまっている。
 本当に、そこらへんの雑誌に載ってるモデルや、話題の俳優なんか比べ物にならないくらい
 容姿はいいと思う。
 でも、太一が好きになったのはそんなヤマトの容姿じゃないのだ。
 照れ屋で、へタレで、強がりで、意地っ張りで、それでも必死に愛を求める。
 意外にロマンチストで、二人っきりの時には思いっきし甘えてくる。
 律儀で、結構几帳面で、友情を大切にして、家族を大切に思ってて…
 そんなヤマトだから好きになったのだ。
「何にもしらねぇヤツにんなこと言われたかねぇよ…」
 ボソリと呟く言葉は風に乗る。
 遠く、遠くへと飛んで、きっと何処かで消えてしまう。

 ぼんやりと飛んでいった言葉の方を見ていると、ブチッという音と共に放送が始まった。
『たいちぃ〜!愛してるぜっ!!』
 聞き慣れた耳障りのいい声。
 誰よりも色っぽくって、誰よりも安らぎをくれる。
 驚いてスピーカーを見つめる。
『誰に何と言われようと、俺は太一を愛してる!太一も俺を愛してる!』
 ガチャガチャと放送の後ろで騒がしい音が聞こえてきた。
 きっと先生か放送部が慌ててヤマトを引っ張って行こうとやって来たのだろう。
 その通りのように、ヤマトの声がマイクから遠のいていく。
 それでも必死に紡ぐ言葉は太一への愛の言葉。
 一瞬唖然となった太一だったが、直ぐにおかしさがこみ上げてきた。

 きっとまたここに向かって来ているだろう。
 その途中で気付くのだ。
 自分のした事に。
 そうして顔を真っ赤にして、動揺しながらこの階段を上ってくるのだ。
 その光景が思い浮かんで、そんなヤマトが愛しくて愛しくて、太一は幸せな笑みを浮かべながら
 コンクリートの壁に凭れ掛かった。

 帰ってきたヤマトにこの幸せな気持ちを分けてあげよう。
 きっとその触れた部分を押さえて真っ赤になるだろう。
 でも、伝えたいのだ。この想いを。



 風は変わらず髪とスカートを揺らす。
けれども、伸ばした足に触れるコンクリートのザラリとした感触は、先程より嫌な感じはなくなっている。





済みません…何処が女太一なんだよっ!って感じで…
す、スカートらへんかな…?
ってか、石田氏壊れてらっしゃる…
カッコいいヤマトゥーが好きなのにっ!ヘタレも好きだけど☆




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